作る、伝える、楽しむ香りの文化
「香り」の世界で活躍する講師陣によるオムニバス講座「作る、伝える、楽しむ香りの文化」第二弾!「香り」の力で世の中を変えようと果敢に取り組む事業家、専門家を講師陣に招き、多様な視点から「香り」の魅力を探ります。全6回、芳野まいがコーディネート・ナヴィゲート、香りを本気で学びたい方を、お待ちしています!
曜日 | 土曜日 |
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時間 | 15:00~16:30 |
日程 | 全6回 ・10月03日 ~ 11月14日 10/03, 10/10, 10/17, 10/24, 10/31, 11/14 |
講義概要
現場の第一線で活躍する専門家をお招きし、香りの世界に目を向け、多様な視点から魅力を探ってゆく講座です。私たちの生活のなかにあるさまざまな香り、あるいは古典文学に登場するお香や、映画の重要なモチーフとして使われる香水は、どのような人々によって「作られ」、私たちに「伝えられ」、時代の変化とともに「楽しまれて」きたのでしょうか? その歴史や役割、知られざる制作のプロセスやエピソードに触れ、香りと社会との関わりについて考えていきましょう。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 10/03 | 香りを表現する |
とても素敵な香りに出会った時、その感動を伝えたくなります。ところが、自分が感じたイメージをどう表現したらよいのかわからない......という経験がありませんか? 香りを仕事とする人たちがどのような方法で香りについてのコミュニケーションを行っているのか、その「いろは」をお伝えします。 |
2 | 10/10 | 香りとストーリーの力 |
香りは目で見えません。見えない香りの魅力を伝えるときとても大切な役割を果たすのが、「ことば」と「ストーリー」です。香りの製品を開発し販売する際、そして小説、マンガ、映画などの芸術作品のなかで、香りはどのような「ことば」と「ストーリー」で、伝えられているでしょうか?多くの例をご紹介しながら、考えていきます。 |
3 | 10/17 | 香水の文化とその歴史 |
いつの時代にも、健康で心地よい毎日を過ごすことは人間にとって重要なことです。紀元前のエジプトやイスラエルの人々もそうでした。それを叶えてくれるものが、香料でした。この回では、そこから古代ローマ、フランス革命を経て現代に至るまでの、香りの文化についてお話しします。 |
4 | 10/24 | お香文化の意味 ― 香をつくる小さな体験― |
香は、神仏に祈りを奉げる「供養」として生まれました。この回では、実際に「香を作る」体験をしていただきながら、ひとつひとつの香が歴史のなかでどのように使われ、どのような意味を持ったかについて、掘り下げて探っていきます。 |
5 | 10/31 | 「香道」をたずねて |
香道とは一定の作法に従って香木を焚き、その香りを文学的テーマのもとで鑑賞することにより、人間形成をはかる芸道です。この回では、実際に香木を焚き、香りを体験しながら、600年の伝統を誇る香道に親しんでいただきます。 |
6 | 11/14 | 香りのビジネスとイノベーション | 日本人にとって「香り」に対する価値観やライフスタイルは、どのように変化し、広まってきたのでしょうか? 有名な高級ブランドの香水ではなく、若い世代に向けた「カジュアルフレグランス」という新しい市場とイノベーションの状況についてお話しします。 |
講師紹介
芳野 まい
セゾン現代美術館主席研究員/理事、東京成徳大学特任准教授
東京生まれ。東京大学教養学部教養学科フランス科卒。フランス政府給費留学生として渡仏、パリ第四大学にてDEA取得。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究(フランス)博士課程単位取得満期退学。NHKラジオ講座「まいにちフランス語」応用編「ファッションをひもとき、時を読む」講師。主訳書に『香水 ― 香りの秘密と調香師の技』(白水社 文庫クセジュ)がある。【HP】https://maiyoshino.com/
小泉 祐貴子
(株)セントスケープ・デザインスタジオ代表取締役
慶應義塾大学で医用工学修士を取得後、(株)資生堂で「人と香り」をテーマに様々な研究を行う。外資系香料会社に転職後は香りのマーケティングを担当。グローバルの社会文化的トレンド分析チームのアジア地域代表も務める。現在は室内および屋外空間の香り風景デザイン、香水コンサルタントなど、幅広く香りの可能性を展開する。
平田 幸子
香水評論家、香りの専門誌『PARFUM』主宰
(株)資生堂宣伝部でアート、日舞で表現に興味を持ち、1982年来、香りの専門誌『PARFUM』の編集に携わり香水の啓蒙活動に至る。NHKテレビ「美の壷」などに出演。著書に『マップルマガジン 香水 ― 平田幸子が選ぶ香り8ノート』(昭文社)、『毎日を楽しむ香水の法則』(講談社)、『パリジェンヌの香水レッスン』(KKベストセラーズ)、『香水ブランド物語』(学習研究社)などがある。吉本隆明著『匂いを讀む』(光芒社)にも参画。
鳥毛 逸平
(株)日本香堂取締役、R&D事業本部長
1962年大阪生まれ。香りが大好きで(株)日本香堂入社。営業、企画部門を経て長く研究室に務める。薫香、香り商品全般の研究開発、原料開発、仕入れ業務を行う。香の原料を探すための海外出張も多い。読売文化センター等講演多数。著書に、『香り選書20 お線香の考現学 ― 暮らしに根付くお線香の香り』(フレグランスジャーナル社)等。
平井 俊子
御家流香道師範
昭和55年家業から「より良い香り」を求め「香道」の世界を知る。お家流香道第22代宗家三條西堯雲先生に師事。平成21年香道師範拝受後群馬県文化協会・渋川市教育委員会・沼田市文化協会にて香道講座、海外やNHK青山文化センターの講座等を経て現在群馬県内に2教室を持ち日本伝統文化普及に努める。
富樫 康博
(株)フィッツコーポレーション代表取締役
1952年北海道生まれ。法政大学経済学部卒業。オンワード樫山に勤務後、1991年フィッツコーポレーションを設立。海外ブランド香水の輸入事業を開始。やがてオリジナル香水を製作し、輸出を開始。「香り」を中心とした企画開発を通じて、美しく心地よい、豊かなライフスタイルの創造を世界に発信している。