経営コンサルタント ピエール・ボードリー氏(中)
日本は昔からファッションに興味があったのです。たとえば...源氏物語を読んだり、江戸時代やほかの時代に起こったことを考えてみれば、日本人には一部の人たちが言う「チャラチャラ」とした面があったのです。日本は影響されました。もちろん、自分自身のファッション、つまりきものに。そして同時にヨーロッパに、ヨーロッパの美しく仕上げられた、そして少しフォーマルウェア的な部分のある衣服への追求に。日本は物や文化を捨てずにそのままに保つというところがあります。しかし度を越す国でもあります。日本はフランスよりストリートのファッションを追求している部分があります。両方の面があるのです。すべてにおいて、日本人は過去のものを捨てずに、新しいものを創ることができるのです。フランスでは、ひとつのファッションが終わったらそれを捨てて、新しいファッションを創ります。日本人にはまだ、きものが存在します。日本人女性にとって、明治時代と同じように装うことができる場所に招待されることは、最高の喜びです。こういう「仮装」という側面があるのです。そしてこの仮装というのは日本人がとてもたけていて、好きなことなのです。
「まいにちフランス語=NHKラジオテキスト3月号」掲載のインタビュー要旨(企画構成・芳野まい)から。